Disaster ABC 病院災害訓練コース 、Disaster ABCロジスティクスコースとは
災害は未来永劫ないことを願いながらも、そのことを希求することは非現実的です。ひとたび災害が発生すると、収容能力を越えた患者が殺到する事態となるのは容易に想像できます。阪神淡路大震災後災害拠点病院の整備、DMATの養成、広域搬送計画、EMISの構築が推進されました。東日本大震災ではこのような対策が結集され実行されました。安全神話は願望であることを実感し、広域の医療支援体制を再考するよい機会となりました。
私たちは災害時の病院対応に力点をおいた災害コースを2008年から愛知県や静岡県で実施してきました。コースの対象を災害医療に精通していないコメディカルを含む病院職員におきました。災害は病院内にDMAT隊員のような災害医療通のひとだけに任せればよいというものでもないし、多数傷病者に対応するために職員全員で対する以外の処方箋はありません。開催回数を重ねてコースをブラッシュアップする過程でこのような病院ベースの災害コースのニーズが非常に高いことも知りました。受講生の自己学習に資するような平易な教材の要望も高かったことから『Disaster ABC コースガイドブック(荘道社)』も2011年4月に上梓しました。
(全国書店にて販売中)
この災害訓練コースは、災害時に多数の傷病者の受け入れを担うことになる医療機関のすべての職員向けに、NPO法人医療危機管理支援機構が考案したコースです。対象者は下記のとおりで、主に初心者向けの講習会となっています。
<主な対象者>
救護病院や災害拠点病院のすべての病院職員
<地域医療連携の視点から、積極的に受け入れている対象者>
救急隊員
一般市民
行政職員
講習会の内容は大きく4つに別れています。
- 座学
- スキルブース訓練
- 机上訓練
- 実動訓練
このように災害に対応する訓練を手法を変えて繰り返し学ぶことで、災害医療対応における知識とスキルの習得が可能になると考えています。
ロジスティクスへの展開
病院災害訓練は数名の情熱家に主導されて開催される場合がありますが、継続するにはロジスティックスの支えは必須です。病院災害訓練が充実している病院には例外なくロジスティックスを担う職員が整備います。公的病院の事務系の職員には異動がありこの点が弱点でした。私達は2012年10月からDisaster ABCロジスティクスコースを始めてこの問題の解決もはかろうとしています。